宣告
父の様子を見に実家に帰りましたが、
父は想像よりもだいぶ元気でした。
黄疸の症状もおさまっていて、普通そうに見えました。
(普通そうに振舞っているだけだったのかな・・)
ただ、前に会った時よりもだいぶ痩せていて、疲れていたように見えました。
2、3ヶ月会わなかっただけなのに、
少し見ない間に、こんなにも年をとってしまったのかと、
自分にできたこと、気づくべきタイミングもあったんじゃないかと、
(当時は)半ば自分を責めていたようにも思います。
その日は、病状よりも出来るだけ普通の会話を心がけました。
その時の会話や、晴れていた庭に何気なく咲いた花たちや景色が、
いつもよりなんだかキラキラと輝いてみえたような気がしたのは
とても記憶に残っています。
僕はその日は実家に泊まり、名残惜しかったですが実家を後にしました。
その次の日、父は母と一緒にお医者さんに説明を聞きに行きました。
その夜、仕事中にも関わらず、堪らず実家へ電話。
そこで、お医者さんから、入院中の血液検査と今までの状況をみて、
胆管がんではないかと診察結果が出たことを聞きました。
「がん宣告」でした。
父も母もとてもショックをうけていました。
僕もその言葉を聞いて、ショックを受けました。
懼れていたことが、起こってしまったなと、
本当にそうなんだな、と、生命の終わりを宣言されたように感じました。
この日から、長くなるかもしれない病と共に生きる生活が始まりました。
(2016年の11月下旬の話です)